「ラボグロウンダイヤモンドって、キュービックジルコニアやモアサナイトと何が違うの?」
「天然ダイヤモンドとの違いを、自分で見分けられるの?」
そんな疑問に答えるための記事です。
結論からお伝えすると、ラボグロウンダイヤモンドは、キュービックジルコニア(CZ)やモアサナイトとは異なる、本物のダイヤモンドです。CZとモアサナイトは、ダイヤモンドに似せてつくられた別の物質です。
一方で、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを、一般の方が見た目だけで確実に判別することは困難です。この2つの判別には、専門知識と専用機器を用いた検査が必要になります。
この記事では、4種類それぞれの違いと、購入前に現実的に確認できる方法を、信頼できる情報をもとに解説します。「家庭で簡単に確実に見分けられる裏技」のようなものは存在しないという前提で、正確な情報をお伝えします。
ラボグロウンダイヤモンドは偽物ではない
まず整理しておきたいのが、「偽物」という言葉の使い方です。
ラボグロウンダイヤモンドは、研究所(ラボ)で人工的に育てられたダイヤモンドですが、天然ダイヤモンドと同じ炭素からなり、同じ結晶構造を持つ、化学的・物理的に本物のダイヤモンドです。GIA(米国宝石学会)も、ラボグロウンダイヤモンドを天然ダイヤモンドと本質的に同じ特性を持つものとして扱っています。
一方、CZやモアサナイトは、ダイヤモンドとは異なる成分でできた「ダイヤモンドに似せた別の宝石・素材」であり、ダイヤモンドではありません。
つまり「偽物かどうか」ではなく、ダイヤモンドという同じカテゴリーの中にあるか、そもそも別の物質かという違いで整理すると分かりやすくなります。
より詳しい特徴や天然との違いは「ラボグロウンダイヤモンドとは?天然ダイヤモンドとの違いとメリット・デメリット」で解説しています。
天然・ラボグロウン・CZ・モアサナイトの関係

4種類の関係を整理すると、次のようになります。
ダイヤモンド(同じ物質)
・天然ダイヤモンド:地中で数億年かけて生成
・ラボグロウンダイヤモンド:研究所で数週間〜数か月で生成
ダイヤモンドの代用石(異なる物質)
・モアサナイト:炭化ケイ素からなる別の鉱物
・キュービックジルコニア(CZ):酸化ジルコニウムからなる人工結晶
天然とラボグロウンは「生成方法が違うだけの同じダイヤモンド」、CZ・モアサナイトは「ダイヤモンドに似せた別の宝石・素材」という点を押さえておくと、以降の内容が理解しやすくなります。
4種類の違いを比較表で確認

| 項目 | 天然ダイヤモンド | ラボグロウンダイヤモンド | モアサナイト | CZ |
|---|---|---|---|---|
| 主成分 | 炭素 | 炭素 | 炭化ケイ素 | 酸化ジルコニウム |
| ダイヤモンドか | はい | はい | いいえ | いいえ |
| モース硬度 | 10 | 10 | 約9.25 | 約8〜8.5 |
| 肉眼での確実な判別 | 困難(専門家でも肉眼だけでの断定は避ける) | |||
| 一般的な確認方法 | 販売表示・レポート・刻印の照合 | |||
| 第三者機関のレポート | GIA・IGI等が発行 | GIA・IGI等が発行(表記方法は天然と異なる場合あり) | 発行機関により対応が分かれる | 宝石鑑別が中心 |
硬度や成分の数値は、あくまで宝石としての性質の違いを示すものであり、「数値が高い方が優れている」という単純な優劣を示すものではありません。天然・ラボグロウン・モアサナイト・CZは、それぞれ異なる魅力を持つ素材です。
肉眼やルーペで見分けられるのか
結論として、肉眼やルーペだけで、確実に見分けることは困難です。
CZやモアサナイトは、ダイヤモンドと比べて光の分散(虹色の光の見え方)が強く出る傾向があるとされていますが、カットや照明条件によって見え方は変わるため、これだけで断定することはできません。
天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドについては、そもそも成分・結晶構造が同じであるため、肉眼やルーペでの外見上の判別は基本的にできません。
訓練を受けた鑑別士であっても、肉眼やルーペの所見だけで最終的な断定はせず、後述する専用機器での検査を組み合わせています。
ダイヤモンドテスターで見分けられるのか

市販のダイヤモンドテスターには、主に「熱伝導式」と、熱伝導と電気伝導の両方を測る「複合式」があります。
- 熱伝導式テスター:CZの判別には有効ですが、モアサナイトはダイヤモンドと同程度に熱を伝えるため、モアサナイトを「ダイヤモンド」と誤判定することがあります
- 複合式テスター(熱+電気伝導):モアサナイトは電気を通す性質があるため、ダイヤモンドと区別しやすくなります。ただし、ごく一部の特殊なタイプの(ラボグロウンを含む)ダイヤモンドは電気を通す性質を持つことがあり、逆にモアサナイトと誤判定される可能性もあります
また、いずれのタイプのテスターも、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを区別することはできません。両者は同じ炭素結晶であるため、熱伝導・電気伝導の性質もほぼ同じだからです。
つまり、ダイヤモンドテスターは「ダイヤモンドかどうか」の目安にはなり得ますが、機種や個体差によって誤判定が起こりうる補助的な道具であり、これだけで確実な判定はできないという前提で使うことが大切です。
専門機関はどのように判別するのか
GIAやIGIなどの専門機関では、天然とラボグロウンの判別に、紫外線蛍光・リン光の反応パターンや、分光装置による光の吸収パターンの分析など、専用の検査機器を用います。
この判別が必要になる背景として、ラボグロウンダイヤモンドの主な生成方法である「HPHT法(高温高圧法)」と「CVD法(化学気相成長法)」があります。どちらも天然と同じ炭素結晶を人工的に生成する方法ですが、成長過程での微細な特徴(内包物のパターンや成長線など)が天然とは異なる場合があり、専門機関はこうした特徴を専用機器で読み取って判別しています。
これは一般消費者が家庭で再現できる検査ではなく、専門知識と設備を持つ機関に委ねるべき領域です。
鑑定書・グレーディングレポートの確認方法
購入者にとって、もっとも現実的な確認手段が第三者機関の発行するレポートです。
ただし、GIAとIGIでは、ラボグロウンダイヤモンドの評価方法が同一ではありません。GIAは2025年10月より、ラボグロウンダイヤモンドの評価を「Premium」「Standard」という区分に変更しており、天然ダイヤモンドのような4C個別評価とは異なる形式になっています。一方IGIは、天然と同様の4Cフル評価を継続しています。
「GIAとIGI、どちらも同じ基準でダイヤモンドを評価している」という前提で説明されている情報を見かけることがありますが、2026年現在、両機関の評価方式は同一ではない点に注意が必要です。
レポートを確認する際は、発行機関名だけでなく、レポートに記載された内容が実際の石と一致しているかを照合することが重要です。
ガードル刻印とレポート番号の照合
多くのラボグロウンダイヤモンドには、ガードル(石の側面部分)にレーザーでレポート番号が刻印されています。
この番号を、発行機関の公式サイトでオンライン照会し、レポートの記載内容(カラット・カラー・クラリティなど)と、実際の石やレポート記載が一致しているかを確認する方法があります。
ただし、すべての石に刻印があるとは限らず、刻印の有無や照会可否は商品や発行機関によって異なります。刻印がないことだけをもって、真贋を断定することはできません。
購入前に確認したい5つのポイント
- 商品名・商品説明に「ラボグロウン」であることが明記されているか
- 石の品質(4Cなど)や仕様が具体的に記載されているか
- 第三者機関のレポートが付属するか(付属条件は商品ごとに確認)
- レポート番号とオンライン照会結果が一致するか
- 販売店の会社情報、返品・保証、アフターサービスが明確か
なお、小粒のダイヤモンドやメレダイヤモンドでは、1粒ごとの個別レポートが付属しないことも一般的です。レポートが付属していないという理由だけで、偽物と判断することは適切ではありません。
「鑑定書があれば100%安全」というわけでもなく、レポート・刻印・現物・販売情報を照らし合わせて総合的に判断する考え方が現実的です。
当店の商品におけるレポートの付属条件は、商品によって異なり、有料オプションとなる場合もあります。詳しくは各商品ページでご確認ください。
よくある質問
Q. モアサナイトはダイヤモンドテスターで見分けられますか?
A. 熱伝導のみを測る簡易的なテスターでは、ダイヤモンドと誤判定されることがあります。電気伝導も測る複合式テスターであれば区別しやすくなりますが、100%確実というわけではありません。
Q. 天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは、ダイヤモンドテスターで区別できますか?
A. できません。どちらも同じ炭素結晶のため、市販のダイヤモンドテスターでは反応に差が出ません。判別には専門機関による専用検査が必要です。
Q. 鑑定書があれば安心と考えてよいですか?
A. 大きな安心材料にはなりますが、絶対的な保証ではありません。レポート番号の照会結果や、販売店の情報とあわせて確認することをおすすめします。
Q. 小粒のダイヤモンドに鑑定書が付いていないのは問題ですか?
A. 小粒石やメレダイヤモンドは、個別レポートが付属しないことが一般的です。それだけで偽物と判断する必要はありません。
Q. GIAとIGIは同じ基準でラボグロウンダイヤモンドを評価していますか?
A. いいえ、同一ではありません。GIAは2025年10月よりPremium/Standardという区分方式に変更しており、IGIは天然と同様の4Cフル評価を継続しています。レポートを確認する際は、発行機関ごとの評価方式の違いも意識してください。
ラボグロウンダイヤモンドを検討している方へ
ここまで、4種類の違いと見分け方についてご紹介してきました。ラボグロウンダイヤモンドそのものについて、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
当店のラボグロウンダイヤモンドジュエリーは、以下からご覧いただけます。

まとめ
ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同じ炭素からなる本物のダイヤモンドであり、キュービックジルコニアやモアサナイトとは異なる物質です。
天然とラボグロウンを見た目だけで確実に見分けることは難しく、その判別には専門機関による専用検査が必要です。購入者にとって現実的な確認方法は、販売表示、信頼できるレポート、レポート番号の照会、ガードル刻印、販売店の情報を照らし合わせることです。
「簡単に確実に見分けられる方法」は存在しないという前提に立ち、正しい情報をもとに、納得のいく一本を選んでいただければと思います。
出典:GIA(米国宝石学会)、IGI(国際宝石学会)公式情報を参考に、当店の見解を交えて構成しています。